大賞(賞状+のべるちゃん便箋)
博多龍骨(ドラゴン)ラーメン・クライシス
作者名:藤川
選評
本作の特徴的なポイントは、分岐によるゲーム性の高さです。2週間の午前/午後、計28回の行動選択をどうするか。勝利を目指してひたすら和菓子作りの技術を磨くもよし、審査員たる街の人々の好みを調査するべく交流に勤しむもよしと、ここは人によってプレイスタイルに個性が出そうです。「どんなふうにプレイしたか」でのべチャレ選考陣も大いに盛り上がりました。 |
選評
ニコニコ自作ゲームフェスでものべるちゃん大賞を受賞した木魚さんの作品です。例によって、混沌とした要素の一つ一つが全力で自己主張しているだけなのに、なぜかちゃんと物語が進んでゆく「木魚時空」が最高にプリティです。 |
選評
物語が展開するのは、生と死の中間の世界で、人々はみな着物を着ており、この世界では永遠に夜が続き、そして腐敗臭を放つ化け物が平気で出入りする……という魅力的な世界観がこの作品の持ち味です。 |
選評
ご当地アクションファンタジーとでも言うべき本作は、様々なケレン味にあふれています。
まずは、その世界観。天変地異によって魔物が跋扈するようになった修羅の地・福岡──その魔物たちの「美味しさ」に気付き、逆に名産として活用するべく狩る側になった県民たち、という構図はインパクト充分。加えて、個性の尖った登場人物たち。さらには凝ったアクション演出、福岡のご当地ネタ、「オークラーメン」等のパワーワード……。
カオティックな世界にこってりとした要素をふんだんに詰め込んだ本作ですが、それでも胃もたれしないのが本作の素晴らしいところ。それはひとえに、短編としての調理法の巧みさゆえと感じます。舞台背景の説明、各キャラクターの描写、そして話運びが洗練されており、お題の取り入れ方も応募作品中では随一でした。
渾然一体という言葉がふさわしい、素晴らしい一杯になっていると感じます。こうした総合的な完成度の高さから、栄えある「第2回大賞」として、ここに賞します。