大変長らくお待たせいたしました。
第2回のべるちゃんコンテスト受賞作品が遂に決定いたしました。

2回目となる今回は、制作にあまり時間を割けないユーザーさんショート部門を設け、前回より多くの皆さんにご参加頂けるようにと考えました。
しかしながら曖昧なエントリー基準を設けてしまったせいで、本選でも十分に戦えたであろう作品がショート部門でのエントリーになってしまったのは、やや残念であり、運営側の大きな反省材料です。
次回は見直します。申し訳ございません。

予想を遥かに超える、前回の5倍の数の作品のエントリーがあり、審査も大変難航いたしました。
今回はドロップシステム社外からも頼れる審査員をお招きし、忙しい時間を縫って審査に参加して頂きました。
審査にご協力してくださった皆様には改めてこの場を借りて御礼申し上げます。

それでは厳しい審査を勝ち上がった栄えある受賞作品を御覧ください。

のべコン審査員

【株式会社ドロップシステム】

プロダクト事業部部長: 萩原タカユキ(ユキムコ)
Script少女のべるちゃん総合ディレクター/プログラマー: 大井裕一
Script少女のべるちゃんディレクター/妖精: のべるちゃん
Script少女のべるちゃんプログラマー: 野上慎一郎(のがみん)
Script少女のべるちゃんプログラマー: 嶋田和矢(しまでぃ)
株式会社ドロップシステムwebデザイナー: 小田祐司(odapi)

【株式会社言語社】

ノベルスフィア: 鈴木健人

【ゲスト審査員(公開可能な方のみ)】

工画堂スタジオ: 宮澤剛(みやざー)
ASKノベルゲームメーカー: 浅倉旬一
AKIBAPOP:DOJO
PLiCy
ノベルRPG研究サークル アルケミスト・ラボ: ケミ子
M.Mの部屋: M.M
舞台作家見習い: D(匿名)
ポコ太(匿名)
(他、7名)

のべるちゃん大賞

ブックオブファンタジア

作者:かるぴ

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/5960/

作者からのコメント

大賞をいただき嬉しいです!
本当にありがとうございます!

今回は、きっとないだろうなと思っていましたので、
受賞のお知らせをいただいたとき、油断をしていただけに
大変おどろき、また恐縮もしました。

ブック・オブ・ファンタジアは、
長編ファンタジー作品が書いてみたくて長い期間をかけて少しずつ書きました。
なかなか難しく、途中なんどか投げ出しそうになったのですが、最後まで書き終えられたことをほんとうに良かったと思っています。

のべるちゃんに立ち絵などの素敵な素材、また雰囲気のある音楽が増えていくことも、作品を書く上で表現を広げることができ、とても助けになりましたし、
あらためて素敵なアプリだなあ、と思いながら作成していました。

この作品はゲーム要素を多めにちりばめた物語で、
僕としては、キラキラした冒険ファンタジーを目指したつもりです。
また、作品の中に自分なりに色々な感情、想いを込めました。

僕が書いたストーリーではありますが、キャラの関係性や異世界が辿ってきた歴史など、
ブック・オブ・ファンタジアを読み手の想像で
自由に楽しんでいただければ嬉しいです。

未熟な文章、またプレイしづらい所も多々あった作品とおもいますが、お読みいただいた皆様ありがとうございます!

長編ではありますが、
お読みいただいていない方も、もしお時間がありましたら読んでいただけたら嬉しいです。

ほんとうに素晴らしい賞をありがとうございます!!

また審査員の皆様、
長期にわたる審査、本当にお疲れ様でした!

審査員選評

凝った演出と、ゲーム性。お話も面白いし文句なし。これはプロの仕業。(みやざー)

よくあるノベルADVのゲーム構成だが、選択肢の配置がテンポ良く、またギャグも軽妙で、プレイヤを飽きさせずに展開させる良作。(ケミ子)

謎解きが非常に楽しく、文章もとても読みやすく、キャラも立っていてとても面白かったです。(AKIBAPOP:DOJO)

お話、ゲーム性共に非常に取っ付き易く、かといってヌルい訳でもない。しかもやり込み要素まである。とにかく全般的に完成度が高い。前回大賞作もそうでしたが、プレイする人を問わない誰でも楽しめるような作品を実現させている点はかるぴさんの才能だと思います。
とはいえストーリー面ではしっかりと己をブチ込んで来る辺り、個人的には非常に好感がもてました。(大井裕一)

のべるちゃんのヘビーユーザーからすると“尖り具合”の少ない作品なのかもしれません。インパクトを超えて評価されたのはものづくりの謹厳さです。自己表現の場という印象の強い『Script少女のべるちゃん』というアプリの特性の中にあってこそ目を引いたのが、遊び手への配慮がとことん感じられる制作の姿勢です。ゲーム作りを実務とする多くの審査員の共感を呼んだ結果の大賞です。(ユキムコ)

チャンピオンだからこその責任感のようなものなのかしら。もはや目線が業務用なのよね。テンポを意識してあえて派手さを抑えめにしてるような部分も垣間見えていぶし銀の貫禄すらあるる。かといって若さや冒険心が足りないって印象も無いのよ。「遊ぶ側の目にどう映るか」ってシミュレーションがかるぴさんにはニヤニヤ楽しめてるんだと思う。それが審査員のオッサンたちの琴線に触れたのよ、「こういうことなんだよなぁ」って。うまいことやったわね。(のべるちゃん)

金賞

サムディは嗤う

作者:空野

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6440/

作者からのコメント

思わぬ光栄に、喜びや謙遜や、多々思いが入り乱れているのですが…。
こんな機会がある場を作り上げて下さった運営・審査員、ユーザーの皆々様に、全部その根本はあるのかな、という事でシンプルに。
「皆々様ありがとうございます!」
この気持ちだけ書かせて頂いて、後はヒッソリ自室で狂喜乱舞の羞恥悶絶しようかと思います。

とびきりの光栄を受ける機会を与えてくれた、皆々様の「のべるちゃん」が更に発展、進化する事を願っています。

審査員選評

非常に細かい設定、綿密に練られたシナリオ、そしてビジュアルノベルだからこそ成し得る演出に感服しました。少しずつ明らかにされていく伏線の数々にワクワクしながら読むことが出来ました。一人一人に正義があり、何が正しいかはその時の時代と環境が決める。そんな事を思いました。楽しかったです。(M.M)

こういうハードなドラマ(&サスペンス?)は作れないので、すごいなあと先が気になり読みふけりました。(みやざー)

ホラー要素とSFものの合致がすばらしい作品。長編であるもののまとまっていてよくできていると思う。(PLiCy)

特にシステム的に凝った演出もなく、選択肢もそう多くないにも関わらず非常に良いノベルゲームでした。キャラ設定も話もしっかりしていて、プレイ後の満足感が他とは違うなぁと思う程にはあらゆる方面で突出した作品だと感じました。エンドロールまでプレイして、感動できました。(AKIBAPOP:DOJO)

あまり活字に馴染みがない私でもスラスラ読めてしまう文章力、長い時間読んでいても飽きないような構成になっている巧い作品と感じました。
立ち絵があまり出てこない点や、結末がうまくいきすぎてあまり後に引かない点など不満なところもありましたが、なにより読んでいて楽しかったです。(しまでぃ)

アドベンチャー形式のノベルゲームに最適なテキストの構成、緻密な設定と驚きのあるプロット。テンポの良さとシナリオの上手さが評価されての堂々の金賞です。やや惜しいと感じたのは“ツカミ”の弱さ。冒頭から謎を深めるシーンがあると、より読者の集中力を高めると思います。これからの作品にも期待しています。(ユキムコ)

やけに上手いと思ったらASK勢(のべるちゃんのライバルアプリ『ASKノベルゲームメーカー』のユーザー)だったのね。慣れてるはずだわ。知らずに絶賛しちゃったわよ。先に言いなさいよね。(のべるちゃん)

銀賞

セロシア・キャンドルをあなたに捧ぐ

作者:沢良木由香里

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/4022/

作者からのコメント

のべるちゃんからの職員室呼び出しで、「なんかやらかしたかなぁ?」とか思ったら受賞の連絡で、興奮のまま返信したところまでしか記憶が定かじゃありません。
今、こうしてコメント書いてますが夢みたいです。
コンテスト〆切ギリギリまで頑張って本当に良かった。応募して良かったです。
すごく長い作品なので、審査員の方々には申し訳なく……いや、でも後悔はしてませんが笑
来年は大賞狙いますね!

審査員選評

普通にスマホのゲームみたいで面白かった。(ポコ太)

作者さんがとてもキャラクターを大事にしているなと感じられる作品で、個々の登場人物が好感持てる。それぞれのルートとしてちゃんと丁寧に作っている、愛あふれる作品。雰囲気も良いですよね。(みやざー)

とにかく恐ろしい安定感・・・。文章も綺麗なまとまり方で羨ましいくらいでした。(D)

逆ハーレム系で内容も非常にしっかりしており、とにかくボリュームがありました。序盤は楽しく進めておりましたが、あまりに冗長すぎました。この文量を読ませるには飽きさせない工夫も必要だろうと思います。(AKIBAPOP:DOJO)

徹底的に自分の好きなものを書く、だからこそ読む人も共感して楽しめる。Script少女のべるちゃんの最も大切な理念を体現した作品だと思います。攻略対象がかなり多めの乙女ゲーですが、どのルートもクオリティに落差が無いのは素晴らしいです。全体のテンポなど、まだまだ荒削りな部分も多いですが、これからも好きなものをつくる姿勢を失わず、経験と知識の幅を増やしていってください。(ユキムコ)

長い!長いのよ!この作品のせいで審査期間が伸びまくったわ。責任とってください。ここまで一つの作品に心血注げるのはすごいわ。変態だと思う。変態よね。心から楽しんで作ってる感じがうらやましい。自分の作品を愛していないと出せないクオリティよ。嫉妬するわ。(のべるちゃん)

銀賞

シャドウデプス

作者:紫猫月

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6501/

作者からのコメント

私の作品は、画像を重ね合わせる等をして、変わった所が顕著な作品に仕上げているために運営側のノベルに対する意図に反しているのではないかと少し不安でしたが、この度、銀賞に選んでいただいたと言う事で、運営側の懐の深さに感謝申し上げます。漫画形式のノベルを作りたいという想いがあり、素材の追加で模索して作ってみました。今回の賞を糧に、これからも楽しめる作品を目標に頑張ります。ありがとうございました。

審査員選評

あんかけ!演出が凄い凝ってますね、調整が大変だっただろうなと思います。登場人物の関係性も大事にしているから、リアルな部分とアンリアルな出来事との噛み合わせをもっと工夫したらよりよかったかも。(D)

まさかの3Dダンジョン。労力が恐ろしいことになっているはず。演出がすごく凝っている。特に【画面演出】【音演出】【テンポの良さ】が素晴らしく、普通の小説などではできないのべるちゃんとしての機能を生かし、シナリオのみでなく、様々な方向から読者を楽しませることを考慮して制作をしていることが評価の理由です。(PLiCy)

漫画調の画面の作り方が特徴的で面白いです。またシステム面でも、影の向きで敵を回避するというのは良いアイディアだと思います。シナリオに関してはやや新鮮味に欠け先が読めてしまうので、もうひとひねりあると良いと感じました。(ノベルスフィア)

毎度ツール開発者の意図しない方向から良い球放ってくれる紫猫月さん。今作でもその類い稀なセンスは遺憾なく発揮されていました。非常に手の込んだ画造りは勿論、格好良さのセンスは唯一無二だなと思います。まさに開発者冥利に尽きる作品でございました。(大井裕一)

この作品がこの評価で留まってしまうのはScript少女のべるちゃんが創作の場として成熟していないからです。申し訳ないです。間違いなくある意味トップなのですが。正直、この作品を正当に評価するモノサシは現在の我々にはありません。のべるちゃんでの作品制作経験がある人にほど伝わるすごさ。逆に言えばのべるちゃんを始めて最初に遊ぶのがこの作品だと「どういうアプリなの?」と思われてしまうほどベクトルが特殊です。評価はしたい、が、しかし、この作品が多くのユーザーの目標になってしまうのもある意味困るのです。紫猫月さんはScript少女のべるちゃんにおけるファンタジスタですが、異端者でもあります。(ユキムコ)

うち、ノベルゲーム作るアプリなんだけどどうしてこうなった。みんなと作ってるものが違う。絵の展覧会に彫刻が紛れてる感じ。だから今のコンテストじゃ不利よ。紫猫月さんの作品はいつもすごすぎて笑っちゃうのよね。どういう姿勢(物理的な)で作ってるのか気になるわ。(のべるちゃん)

スタッフ賞

イリスの涙

作者:豆腐めんたる

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6107/

作者からのコメント

自分に自信が持てず、「こんなもの最後まで見てくれる人なんていない!」と何度も消したくなった作品です。
制作時はスランプでアプリを開くのも辛かったのですが、負けそうになる度に支えてくれる人がいたので何とかここまでこれました。

作中にはみんなへのメッセージと、私自身へのメッセージを詰め込んであります。
スランプだったり、自信がなくて作品を公開出来ずにいる物書きさんに少しでも勇気をあげられたら……そんな思いで一生懸命書きました。

この度は素敵な賞にお選びいただき、本当にありがとうございました!

審査員選評

綺麗にまとまったシナリオ、ほどよいフラグ管理、キャラクターの顔を隠すなど手堅い演出と、正にお手本のように出来が良い作品でした。特にシナリオは書くことによって自分の創作したキャラクターに命を救われるという設定がうまく活かせています。問題点が少なく、丁寧に作られていて万人にオススメできる作品です。一方で、インパクトという点で物足りない部分があるかなと感じました。(ノベルスフィア)

夢を失ったヒロインに寄り添う優しい世界を感じました。物語を書く為に大切なエッセンスが沢山詰まっており、全てのノベルゲーム作家への応戦歌に聞こえました。またノートをめくる音や水の音がとても柔らかく、ヒロインが少しずつ物語を紡いでいく雰囲気が伝わりました。(M.M)

ゲームをクリアして行くと、黒染めの世界がきれいになっていくという、ゲームと演出が一体となった仕様が素晴らしい。(ケミ子)

演出が凝っており最初から惹きこまれ、さらにその演出が見事に物語とマッチしていて面白い作品でした。
シーンの区切り方のうまさやオムニバス形式ということもありプレイの中断、再開を行いやすくのべるちゃんに合った作品と感じました。(しまでぃ)

感動しました。僕は好きです。(のがみん)

愛すべき作品でした。演出もテキストも非常に丁寧で、大事に紡がれた作品であることが伝わってきます。絵で伝わる情報と、文章で伝わる情報のバランスが絶妙で、ノベルゲーム、そしてScript少女のべるちゃんの良さをよく理解していると思います。
そして純粋に国語力が高いです。詩を綴るようにリズム重視で言葉を選ぶ能力があるので語彙が増えるほどに表現力が向上していく作家だと思います。のべるちゃんでの活躍に関わらず、今後が楽しみな物書きだと思いました。(ユキムコ)

Script少女のべるちゃんならではの表現が随所に見られて嬉しくなるわ。Script少女のべるちゃんを愛してくれてありがとう。開発スタッフに愛されてのスタッフ賞よ。絹ごし豆腐のように繊細なメンタルから生み出された優しい瑞々しい感性が乾いた高野豆腐のようにカチカチになったスタッフのハートに染みこんだのよ。これからもよろしくね。(のべるちゃん)

6位〜10位


私の神様

作者:泉野 戒

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/3072/

審査員選評

お話だけの”ノベル”ゲームですけど、お話にとても引き込まれる魅力を感じる題材と、オチ。今回個人的には一番”影響”を受けた作品でした。(みやざー)

転生を題材にしつつ、転生先が女生徒ではなく自分という切り口は斬新でした。ミスリードを誘う文章であればもっと衝撃が大きかったと思います。ノベルゲーム向きのテキストではなく、少なからず強引な展開が目につきました。(AKIBAPOP:DOJO)

真実が明かされてからが本番でした。姿の見えない、もしかしたら偽物かも知れない存在に心を寄せ、そしてどこまで自分の中で昇華できるかを丁寧に描いておりました。もっと2人が会話をしている様子を見たかったですね。(M.M)

独自のスタイルを持っている物書きで個人的に大変好感を持ちました。プロットもセンセーショナルでよく練られています。逆にプロットの妙を効果的に読者に伝える為には泉野さん独自のスタイルが邪魔をしてしまっているのかもしれません。説明のし過ぎ(相手の顔色を伺い過ぎ)でかえって誤解されたり要点が散漫になるような性質が見受けられます。既に技術はあるので、読者の洞察力や想像力を信用して背中を預けるような勇気があれば一皮むける書き手だと思いました。(ユキムコ)


ドラマチック少女のべるちゃん

作者:AED

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6295/

審査員選評

文字演出と効果音がうまい。テンポも良くて引き込まれる。
擬音パーツを配置することでどこがギャグシーンであるか分かりやすく表現をしているのが良かった。(PLiCy)

短いながらも主人公を始めとした登場人物の葛藤があり、コンパクトにまとまったシナリオだと思いました。創作に対する憧れと現実へのギャップ、そしてそれを乗り越える為の答えを感じる事が出来ました。恋愛要素は無理に入れず、創作への拘りに一点集中すればよりテーマがハッキリしたのではないかと思いました。(M.M)

のべるちゃんを題材にしてのべるちゃんに投稿する、よくあるメタネタでしたがテンポが良く読みやすかったです。キャラ立ちがはっきりしていて、下手に恋愛に落とすこともなく伝えたいことを率直に書いているあたりに好感が持てました。文章力はもうすこしという感じです。(AKIBAPOP:DOJO)

よく言えばテンポがいい、悪く言えば都合が良くて説得力にかけるという印象のシナリオでしたが、キャラクターの振り分けがうまくはまっており、程よくまとまったいい作品と感じました。(しまでぃ)


オリオン〜銀河の旋律〜

作者:れちる

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6356/

審査員選評

とにかく高校生らしい男女の心のすれ違いが印象的でした。こそばゆい感覚がうまく演出できていたと思います。またヒロインはオーケストラ部、ヒーローはテニス部と部活動に紐付けしたのは学園ものらしく良いと思いました。最後まで象徴的だった天体観測で締めたのも良い終わり方でした。(M.M)

三角関係を丁寧に描いています。天体やオーケストラなど珍しい題材を取り上げていますが、それをストーリーと絡めて展開させる手腕は見事です。演出もレベルが高く、場面と音楽の選択・使い方が調和していおり、シナリオにのめり込めます。(ノベルスフィア)

青春ですねえ。キュンキュンしました。(みやざー)

かつての少女漫画的な要素をきちんと踏襲、最後まできちんとヤキモキさせてくれた作品。ある意味、予定調和過ぎるきらいもありますが、そういうモノをこそ楽しむジャンルだと個人的には思うので全く問題無しです。 むしろその予定調和をしっかり盛り上げる文章力や演出の安定感は今回随一だったように思います。(大井裕一)


三次元の貴方へ

作者:Chicha

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6335/

審査員選評

ありそうで無かった世界観で面白かった。スマホで二次元の女の子を触れるのが良かった。(ポコ太)

日にちを重ねていく毎に近づく2人と気持ちと明かされる真実。そしてそれを画面越しでしか見ることが出来ないもどかしさ。それでも相手の為に何か出来ないかと奮闘する主人公の姿が印象的でした。テンポがよく読後感の良い作品だと思いました。(M.M)

王道的な(ギャルゲーやラノベ的な)シナリオで、話の先が気になる作品。選択肢も有るのは良いですね。(みやざー)


宇宙の果てから愛を込めて...

作者:あとら

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6494/

審査員選評

1ルート30分程で読みやすい。カエルさんが出てくるあたりから本番。(PLiCy)

ヒロインのゲロ設定は女の子あるまじき姿で衝撃でした。それでも快活な性格は周りを元気にさせ、物語を読ませる原動力となりました。宇宙や神具の描写も絵とBGMによって盛り立てており、リアルさを感じました。基本的に悪人はおらず、終始物語を楽しめました。(M.M)

あとらちゃんは無冠の女王継続ね。この子、ストーリーテラーとしての実力は高いわ。ファンも多いのよ。ただ、これはあとらちゃんの作風でもあるんだけど「バッドエンドに入りやすい」ので「繰り返しプレイ必須」なゲームデザインなのよね。ここらへんが一部の審査員の減点対象になったかも。ノベルゲームにおける選択肢総当りは攻略方法の王道ではあるんだけど、次は「初見さんの最初の一度限りのルート」の満足度ってのにもこだわってみるといいかもね。(のべるちゃん)


青春のまほろば

作者:助野遊里

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6241/

審査員選評

よくあるノベルADVのゲーム構成だが、選択肢の配置がテンポ良く、またギャグも軽妙で、プレイヤを飽きさせずに展開させる良作。(ケミ子)

始めからノリの良いキャラクターばかりで明るい学園生活を感じました。中々一歩前に踏み出せない主人公に対してその道標を作ってくれる友人の対比バランスが良かったです。分岐やミニゲームもあり、飽きることなくプレイ出来ました。(M.M)

ギャルゲー全盛期を思い出させる文体で個人的には親しみやすかったです。ホモの選択肢を選んだらホモまっしぐらエンドで1分でエンディングになったのはびっくりしました。他に選んだエンディングもあっさりしすぎていてあまり記憶に残らなかったです。(AKIBAPOP:DOJO)


ヒューマンギニーピッグ

作者:小雨 瑛歌

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/2986/

審査員選評

ノベル”ゲーム”として、マルチシナリオでルート毎に違う内容、選択肢にも意味があり、最後まで楽しく遊べました。こういうのが良いんですよ。(みやざー)

治験版かまいたちの夜。シナリオは手堅くまとまっていて読みやすく面白い。(PLiCy)

浅倉さーん!いらっしゃいませんかー!見ての通り今回審査員のひとり、ASKノベルゲームメーカーの製作者、浅倉さんの選評がありません。点数は送られてきたんだけど、その後の連絡がとれないのよ。で、この『ヒューマンギニーピッグ』は浅倉さんが大賞に推した作品なのよね。選評が読みたいわー。
あ〜さ〜く〜ら〜!(のべるちゃん)


ショート部門賞

星人式

作者:glico

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6317/

作者からのコメント

この度は素敵な賞をありがとうございます!凄く嬉しいです。今年は生活が忙しくギリギリまで参加しないつもりでいたのですが、twitterののべるちゃん関係のお友達が誘ってくれたり、アドバイスをくれたり、励ましてくれたりしたおかげで参加することができました。twitterのお友達にとても感謝しております。本当にありがとうございました!
コメント欄にて温かいコメントや作品に関して考察してくださったのが、とても嬉しかったです!
この【星人式】という物語は『私も後×年したら成人式だなぁ』と考えた時に、ふと思いつき一気に書き上げたものです。『もし自分がこの様な選択を迫られたら、どちらを選ぶだろうか』と考えながら作りました。結局答えは出ていませんし、現実には選択権など無いのですが笑
いっぱい悩んで悩んで答えが出なくて、でも出さなきゃいけなくて。考える時間もあまり貰えなくて強制的に決めさせられる。そういう事って結構あります。気がついたら選ばされてたとかみんなと同じになっていたとか。嫌だなって思うけど、絶対に逆らえないし逃げられない。どうしようも無いことだけど、足掻いてみたくもなるし、前に進まなきゃなんです。
そんな私の今の気持ちが一杯詰まった物語でした。誰かの胸に響く物語になっていたら、嬉しいです。
本当は最後に選択肢を付けて読者様に『星人になるか』それとも『異星人のままでいるか』を選んでシナリオ分岐するつもりでした。だけど、「この先を書いたらなんだかどっちかが正解みたいになったらヤダな」と思い、最後はあの様な終わり方にしました。
『僕』の結末は、読者様にお任せ致します!

審査員選評

寓話性の高い作品だと思います。作品の最後で主人公はある重要な「選択」を行うのですが、あえてのべるちゃんのシステムを使った選択肢を設けなかった「作者の選択」のセンスに感心します。 また、見方によっては読み手のイデオロギーを触発させる政治色の強い作品でもあります。しかし読者にそれを感じさせない爽やかな世界感と、SFならでは不気味さもあり読後の余韻をコントロールしています。「短編」であることの良さが強く感じられた作品です。(ユキムコ)


機械仕掛けの優しさ

作者:シュレディンガーの羊

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/5806/

作者からのコメント

はじめに、この作品を読んでくださった読者さま、この作品をショート部門受賞作として選んでくださったのべるちゃん運営の皆さま、本当にありがとうございます。未だに信じがたいくらいに嬉しく、幸せを噛み締めています。
小学校低学年の頃、小さなノートに鉛筆で拙い物語を書いていた自分に教えてあげたいです。君のお話が素敵な賞をもらえる日がくるよって。

このお話はとても短くて不器用な「言葉」のお話です。受け入れて頂けるか不安でしたが、背中を押してくださった優しいお言葉があり、公開することができました。

ノベルゲームは小説と違い、選択肢を設ければ物語の行く先を選びとっていくことができます。それがとても興味深く、面白いです。このアプリに出会えなければ、作り手として、そして読み手として味わうことができなかった楽しさだと思います。

本当にありがとうございました!

審査員選評

短編らしいモチーフに彩られていますが、ショート部門ではなく本選エントリーでも受賞を狙えた作品だと思います。倫理観に問いかけてくる「心の痛む」作品です。のべるちゃんの選択肢機能を使ったアートと捉えることも出来ます。
立ち絵、背景、BGM、テキストと、ノベルゲームには表現手段が多くありますが、そこで「表現されていない部分」に重要なメッセージを持つ作品だと思います。ノベルゲームの姿を借りた詩のようでもありました。お見事です。(ユキムコ)


夏の三角関数

作者:az

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/5428/

作者からのコメント

第1回のべコン時は、まだのべるちゃんを始めて間もない頃だったので「なんか面白そうだから適当にタグつけて出してみよ」という軽い気持ちで参加したのですが、今回はショートという制約の中で全力を尽くしたつもりなので本当に嬉しいです。
また、この1年でScript少女のべるちゃんというアプリ自体も、それを支えるユーザーの皆様も大きく進化した中での受賞ということで非常に感慨深いものがあります。

『夏の三角関数』について、この作品は私自身の叶わなかった願いでもあります。人生、努力をしてもどうにもならないこともありますが、せめて物語の中では夢を見たい、そしてこの作品を読んでくださった方に少しでも希望の光を与えることができれば、と思います。

最後に、審査員の皆様、この作品を読んでくださった方、コメントや評価、そして一緒に受賞を喜んでくださった方々に心からお礼申し上げます。本当にありがとうごいました。

審査員選評

悩み方やそれがちょっとしたことで解決してしまうという、短い中で学生らしさをうまく表現できている作品だと思いました。(しまでぃ)

キュートな作品です。テスト勉強中にテンパって夢現に見てしまう幻覚、挙げ句部屋の掃除に逃げてしまうことなど、誰もが「あるある」と感じる小ネタがテンポよく主人公のノンキな主観で表現されていて微笑ましいです。他愛のない話を他愛のないものとして正直に表現しているので嫌味なく、上手に読者の共感を呼ぶ作品だと思います。今からでも願いは叶いますよ。(ユキムコ)


超☆ひまつぶし

作者:バーチカル太郎

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6226/

作者からのコメント

入賞できたこと、大変嬉しく思います。
とてもノベルゲームと呼べる作品ではありませんが「それでもいーよ」って方は是非一度ご覧下さい!

審査員選評

見ての通り全くノベルゲームではありませんが、これが「Script少女のべるちゃん」で公開されたところに大きな価値があるのではと感じます。「スキマ」を狙ったアイデアですが、設定やシナリオに頭を悩ませる多くの書き手たちの心のオアシス的な作品になっていると思います。「ショート部門」という枠を作った意味を考えさせてくれた作品でした。(ユキムコ)


うちの課長は顔が怖い

作者:バニラせんべい

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/6117/

作者からのコメント

この度はショート部門賞にお選びくださいまして、誠にありがとうございます!
とても嬉しいです!少しでも作品を楽しんでいただけましたら幸せです。
私自身、制作がとても楽しかったです。
のべるちゃんの楽しさが、ひとりでも多くの方に伝われば良いなと思っております。

審査員選評

何とも微笑ましい作品でございました。「おしまい!!」(大井裕一)

ショート部門におけるスタッフ賞です。作品としては荒削りなのですが「Script少女のべるちゃんに用意されている素材から着想して作品を作る」という姿勢がスタッフを大変喜ばせました。また、それだけではなく、素材を生かすという姿勢がビジュアルに強く説得力を持たせることに繋がっています。「のべるちゃんをいじっている内に面白いものが出来上がった」の成功例として、今回入選枠を増やしての受賞と相成りました。(ユキムコ)


部長賞(運営非公式)

乳輪への追憶

作者:刻みネギ

作品URL:http://www.novelchan.wgt.jp/5025/

作者からのコメント

(問い合わせ中)

部長からの言葉

部長賞などという身勝手が賞を作ってしまい申し訳ございません。ですがルール違反を犯すほどに、私はこの作品を無視することが出来ませんでした。
この作品を公式に評価出来ないことを残念に思います。ですがそれも仕方ないことです。タイトルの時点で作者がそもそも受賞する気ゼロなのが伝わってきますが、いくら創作といえど「おちんちんの余った皮でナップサックを作る」という表現がある作品に、健全な運営が難色を示すのも無理からぬことです。ここまで品の無い表現をわざわざ作中に登場させた理由も全く無かったと思います。(「ナップサック」という「最近あんまり使わない単語」を使いたかっただけだと推察しますが。)
作品内容についてですが極めてくだらないです。これだけくだらない内容なのにスクリプトがものすごく丁寧で計算されつくされているのがこの作品のすごい所です。
テキスト、立ち絵の配置、BGMのタイミング、どれも隙がありません。あらゆる要素がカオスなギャグノベルとしての絶妙なバランスの良さを生み出しています。
マンガや小説や映像作品では出せない、ノベル作品ならではの独特の「間」と「笑い」を結びつけている点が、私がこの作品に賛辞を惜しまない最大の理由です。
また、コント脚本としてもレベルが高いです。カオス系のコントを作ろうとすると、どうしても展開がカオス一辺倒になりがちです(ツッコミ不在という状況)。それでもバランス良く最後まで笑える作品になっているのは、作中読者の気づかないレベルで良識への揺り戻しが行われているからです。作者が本当に狂っている場合、「笑い」は起こり得ません。気味が悪いだけになります。「作り手に常識がある。正気である」と、読者が認識出来て、始めて笑うことが出来るのです。(芸人さんの場合は「顔が見える」という状況が受け手に安心感を与えます。マンガなどの場合はコマ割りなどのマンガ特有の避けられないルールも良識への揺り戻しになります。)ノベルゲームでこれをやるのは至難の業です。このバランス感覚は計算して作れるものではありません。作者はたぶん行き当たりばったりで書いてると思いますが、作者の思慮深さや良識の存在を読者に「気付かせる」からこそ、「笑い」が生み出せています。それでもこの作品のラストには、徹底して混乱を提供したいという作者の矜持を見ました。ここまでアナーキーなものにしなくても面白い作品を作れるセンスがあると思います。新作の投稿を願っております。(ユキムコ)